酵素の主要な構成要素はたんぱく質です。そのため、他のたんぱく質と
同じように加熱により構造が変化して、酵素の機能を失ってしまいます。

もう一つの大きな特徴は、限られた環境条件の下でしか、働きません。
多くの酵素はヒトや動物の体内で働くために、摂氏35度から40度の
温度で最もよく働きます。
また、それぞれの酵素で、ある特定の範囲のpH※1の条件の下でしか、
酵素は働くことが出来ません。ヒトの体液のpHは7.35〜7.45なので、
多くの酵素は中性付近のpHで最もよく働きます。

しかし、胃の中は胃酸により強い酸性であるため、胃で働くたんぱく質を
分解する酵素であるペプシンは、pH2という非常に低いpHの条件下で
最も活性が高くなり、中性付近ではほとんど働きません。